共同親権が導入される理由は?施行前に弁護士が解説!

現在の日本の離婚制度では、父母が離婚した場合、原則としてどちらか一方を親権者として定める「単独親権」が採用されています。

しかし、この制度が今、約80年ぶりに大きく見直されようとしています。2024年5月に「民法等の一部を改正する法律」が成立し、2026年5月までに施行される予定となりました。すでに施行まで半年を切っており、現在離婚を検討している方、または手続き中の方にとっても無関係ではないテーマです。

今回は、なぜ「共同親権」が導入されるのか、その背景や今後の影響について、離婚に特化する弁護士の視点からわかりやすく解説いたします。

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現行制度の問題点

日本の民法では、父母が離婚する場合、親権者を「父」または「母」のいずれか一方に定めなければなりません。これを「単独親権制度」といいます。

この制度は、子どもの養育や財産管理において、責任を明確にするという点ではメリットがあるものの、以下のような問題点が指摘されてきました。

  • もう一方の親が親権を失うことで、子どもとの関わりが希薄になる
  • 離婚後も協力して子育てしたいと考える父母の選択肢が狭い
  • 国際的な潮流に逆行している

特に問題視されてきたのは、親権を持たない親が、事実上、子どもとの関わりを断たれてしまうケースです。離婚後も継続して子どもと面会交流を行いたい、教育や医療について意見を持ちたいと思っても、「親権者ではない」という理由で制限される現状が、多くの家庭で課題となっています。

国際的な動向と日本の立ち位置

単独親権を採用している国は、先進国の中では少数派です。欧米諸国の多くでは、離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権制度」が一般的です。

たとえば、アメリカやドイツ、フランスなどでは、子どもの福祉を最優先に考え、両親が協力して養育する体制が整えられています。

こうした中、日本も「子どもの最善の利益」を守る観点から、国連の「子どもの権利条約」や国際人権規約に沿った法制度を整備する必要があるとされ、法改正の議論が長年続いてきました。

共同親権制度とは

新たに導入される共同親権制度では、離婚後も父母の双方が親権者となることが可能になります。つまり、離婚したからといって、片方の親が子どもに関するすべての権限を失うのではなく、父母が協力して子育てに関与する仕組みとなります。

ただし、すべてのケースで共同親権が強制されるわけではありません。以下のような柔軟な選択が可能です。

  • 父母の合意により、共同親権とする
  • 合意ができない場合は、家庭裁判所が単独親権化か共同親権かを判断する

したがって、共同親権が「義務」になるわけではなく、家庭の事情に応じて適切な選択がなされることになります。

共同親権導入の目的とメリット

共同親権の導入には、いくつかの重要な目的があります。

子供の福祉の向上

最も大きな目的は、子どもの成長において、父母の双方が継続的に関与することが望ましいという考え方です。どちらか一方の親だけでなく、両親が子どもの養育に関与することで、情緒的な安定や健全な発達が期待されます。

父母の関係性を良好に保つ

共同親権では、離婚後も一定のコミュニケーションが必要になります。これにより、過度な争いを避け、子どもを中心に協力関係を築く土台となります。

国際的信頼の向上

日本が国際的な基準に合致した法制度を整備することで、国際結婚や国際的な親子のトラブルにおいても、他国との協調が図りやすくなると期待されています。

注意すべき点と課題

共同親権が導入されるとはいえ、すべてのケースで円滑に運用できるとは限りません。以下のようなケースでは、むしろ問題が深刻化する可能性もあります。

  • 父母間のコミュニケーションが困難なケース
  • DV(家庭内暴力)や虐待の事案
  • 一方の親が育児に無関心な場合

このため、改正法では「父母の協議が困難な場合」「子どもの利益に反する場合」には、家庭裁判所が慎重に判断することとされています。共同親権が万能ではないことを、私たち弁護士としてもしっかり説明し、個々のケースに即したアドバイスが必要です。

施行前に知っておくべきこと

今回の改正法は、2026年5月までに施行される予定ですが、すでに2025年10月現在、施行まで半年を切っています。つまり、今離婚を考えている方、協議や調停を進めている方にとっても、将来的に共同親権制度の影響を受ける可能性があるのです。

例えば、

  • 現在係争中の家庭で、裁判所が新制度の導入を見据えた判断をする
  • 離婚時に「親権者は母」と決めたものの、将来的に共同へ移行を希望する

といったケースが考えられます。今後の制度の動向や具体的な運用方針については、弁護士などの専門家と密に相談しながら進めることが重要です。

まとめ

共同親権制度の導入は、単なる「制度の変化」にとどまらず、離婚後の家族の在り方、特に子どもと親の関係に大きな影響を与えるものです。すべての家庭に最適な制度とは限りませんが、子どもの福祉を第一に考えるという理念のもと、より柔軟で多様な選択肢が認められるようになる点は、大きな前進といえるでしょう。

離婚を検討している方、すでに手続きを進めている方にとって、今後の制度変更は無視できない問題です。共同親権があなたとお子さんにとって最適な選択かどうか、ぜひ一度、法律の専門家である弁護士にご相談ください。

東京弁護士法人では、離婚・親権問題に特化した弁護士が、ご相談者さまの立場に寄り添いながら、最適な解決策を共に考えてまいります。お気軽にお問い合わせください。

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