24年成立の民法改正により、離婚後も父母双方が子どもの親権を持つ「共同親権」制度が導入されました。
しかし、共同親権の遡及効、すなわち過去の離婚家庭にさかのぼってこの制度が自動的に適用されるかどうかには注意が必要です。
今回の記事では、共同親権の遡及効の有無やその意義について、をわかりやすく解説します。
共同親権とは
共同親権とは、離婚後も両親双方が子の親権を持つという、親権に関する新しい制度です。
これまでの日本では離婚後は父または母のどちらか一方を親権者に指定する「単独親権」のみでした。
施行後は「単独親権」と「共同親権」を選ぶことができるようになります。
親権争いは、離婚問題の主要な争点の一つでしたが、共同親権の導入は、その早期解決につながるでしょう。
「遡及効」について


「遡及」とは、法律や契約などの効力を過去にさかのぼって適用することを意味します。
本来、新しいルールや法律は決めた日以降から効力を持ちますが、遡及がある場合には過去の出来事にも新しいルールが適用されます。
共同親権はその状況を打開することができる制度ですが、既に単独親権の取り決めがなされ離婚が成立している場合でも、共同親権導入に伴い、当然に共同親権となるのでしょうか。
共同親権に遡及効はあるのか
残念ながら、共同親権には遡及効はありません。
離婚し単独親権となって以降に親権者によって行われた決定・判断は法的に有効な決定・判断として残ることになります。
ただ、遡及効がないということは、一度決定した単独親権を、今後も継続せざるを得ないということではありません。
後から共同親権に変更できる!
家庭裁判所への申し立て


改正により、既に単独親権となっている場合でも、家庭裁判所に「親権者変更」の申し立てを行うことで、共同親権への変更が可能となりました。
しかし、この移行は自動的には行われず、子どもの利益が最優先される家庭裁判所の厳格な審査に基づき判断されます。
具体的には、変更を希望する親は改正法施行後に親権者変更の調停を申し立て、父母間で話し合いを進めます。
調停で父母が共同親権に合意すれば、単独親権から共同親権に変更することが可能です。
一方で、合意に至らない場合も、裁判所が子どもの利益を踏まえ、事情を総合的に判断して、共同親権に変更すべきか否かを決定します。
判断される要素
共同親権の承認にあたっては、DV・モラハラや虐待の有無、養育費の支払い状況、子どもとの関係性などが重視されます。
養育費の未払いがあった、面会交流が不十分だったなどの、子の心身に害悪を及ぼす恐れがある場合に、父母が共同して親権を行うことが困難であると認められてしまうと、共同親権への変更が難しくなってしまいます。
そのため、共同親権を望む親は、日ごろから子どもとの良好な関係を築き、責任ある養育を行うことが不可欠です。
この法改正は、離婚した親が共に子どもの育成責任を担う新たな道を開くものであり、親子関係の円滑化や子どもの福祉向上が期待されています。
一方で、親権者の変更には慎重な審査が伴うため、具体的な申立てやその後の手続きに際しては法律の専門家の助言を受けることが望ましいでしょう。
終わりに
共同親権の導入や親権変更に関するご相談は、専門的な法律知識と慎重な対応が求められます。
東京弁護士法人では、親権に関する最新の法改正にも精通した弁護士が、お一人おひとりの状況に応じた最適なアドバイスとサポートを提供しております。
親権の変更をお考えの方は、お気軽にご相談ください。安心してお子様との未来を築けるよう全力でお手伝いいたします。













